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子どもをたちを取り巻く社会情勢、世界情勢 2012年12月15日(土)18時33分

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「子どもをたちを取り巻く社会情勢、世界情勢」。これは、本日行われた「京都府私立中学高等学校保護者連合会・平成24年度秋期定例総会」の講演テーマでした。

総会が行われた場所は、京都御所の西側にある京都ガーデンプレスというホテルです。
こちらのホテルの窓からは、道路を隔てて、御所の蛤御門が見えます。幕末の京都において、急進的な尊皇攘夷論を掲げていた長州藩が京都を後にしなければならなくなった禁門の変の舞台となった場所です。耳を澄ませば、150年前この京都で、国の未来を憂い、逡巡しながらも宮中に大砲(おおづつ)を向けた若者達の怒声が聞こえてきそうなそんな距離に建つホテルです。

さて、目を室内に転じると、開会の挨拶が会長の下川和馬氏(福知山成美高校保護者会会長)の私学助成金の話題で始まり、次いで来賓祝辞として京都府文化環境部文教課長稲垣勝彦氏が、今年一年の総括として、中学、高校でのいじめ問題について言及されていました。”いじめは完全に撲滅するという意思をもって臨まないといけない”が中心となるテーマであったように思います。
もう一方、来賓祝辞として登壇された京都府私立中学高等学校連合会会長の山本綱義氏は、最近の教育問題は、上っ面の議論だけをしているのが目に余るようだと感想を述べておられました。
次に、旧役員の方々への、感謝状贈呈があり、議事へと続きました。
議事は、事務局長の野田清昭氏のもと、「平成24年度事業並びに会計中間報告、監査報告」がなされました。
野田氏の報告にはそれに加えて、保護者連合会の活動報告と事業内容や私学振興助成対策の説明もありました。

総会では、実践報告として、各参加学校の活動報告のようなものもあるのですが、今回は、華頂女子中学高等学校保護者会会長の前田晃秀氏による学校紹介がありました。スライドを使い、学校行事をご紹介されながら、学校の特徴を説明されていました。

最後に、午後3時過ぎから1時間にわたって、表題のテーマを講演されたのが春川正明氏です。
読売テレビ報道局の解説副委員長をおつとめになっており、テレビ等のマスコミにも時々登場されるので、関西の方にはなじみ深い方ではないでしょうか。
時にユーモアを交えながら、軽妙な語り口で講演は進んでいきましたが、話題は現場のことであったり、実際に海外に赴任されていたときの話であったりと、縦横無尽に広がっていきました。国政選挙が近いこともあり、米国の選挙の様子と国内のそれの違いについてのお話もあったりしました。
米国では、選挙前になると各地で集会があるが、そこには必ずと言っていいほど未成年の子どもの姿が一定数以上いる。実際の投票にも子どもをともなって行くことが多い、それは、子どものうちから選挙の仕組みを教え、関心を抱くことを仕向けるためだと話されていました。一方我が国はどうだろうかという疑問の提示です。
そして、そういった自らの経験も踏まえた上で、自らの教育観も交えながら、子どもの感受性を信じ、できるだけ海外に留学させ国際性を身につけることの大切さを語っておられました。
海外にいるからこそ、日本のことがよく分かる。日本にいると日本の異質性に気付かない。そういった国際性を身につけた子どもたちが再び日本に帰ってくることで日本が変わるのだと熱心に説かれていたのが印象的でした。

そう言えば、禁門の変から僅か7年後の明治4年(1871年)。維新を成し遂げた明治政府は遣欧使節団を組織し、彼らを米国、欧州、亜細亜と1年以上かけて回らせます。当時若者であった彼らこそが、後に日本の政治、経済、文化の中心的役割を果たし、日本の国柄を決めたと言ってもいいでしょう。
中学生、高校生の教育問題を考える総会と、春川氏のテーマ、そして蛤御門という場所が妙にリンクした昼下がりの午後でした。

*写真1:下川和馬会長挨拶の様子
*写真2:旧役員への感謝状贈呈 
*写真3.野田清昭事務局長による議事進行
*写真4:春川正明氏講演の様子と春川氏のメッセージ。講演の後、平安学園生徒にメッセージを頂けないでしょうかとお願いしたところ快く引き受けてくださいました。

平成24年度平安会会長 木脇和政