HEIAN BLOG 校長 BLOG

記事一覧

平成24(2012)年度 入学式(高校) 式辞 2012年04月05日(木)10時00分

平成24(2012)年度 龍谷大学付属平安高等学校 入学式

 春爛漫の校庭に陽光があふれる今日の佳き日、龍谷大学付属平安高等学校の平成24(2012)年度入学式を挙行いたしましたところ、龍谷大学学長、法人理事・評議員の先生方をはじめ、学園同窓会、平安会の役員の方々、多数のご来賓のご臨席を賜り、理事長とともに衷心より御礼を申し上げます。新入生499名のみなさん、龍谷大学付属平安高等学校へのご入学、おめでとうございます。新入生の保護者のみなさま、ご子女の晴のご入学を心よりお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。
 さて、ちょうど一年と一ヶ月前の3月11日、あの未曾有の大震災が起きました。そして、今なお避難生活が続いております。また、一昨日・昨日と日本列島が春の嵐に見舞われ多くの方が犠牲になられました。私たちはこのことを決して忘れることなく心に刻んでおかなければなりません。そして、今こうして今日のこの日が迎えられたことを、心から「ありがたい」と感謝いたしたいと思います。
 それでは、私の式辞はEQのお話しから始めたいと思います。みなさんはIQをよくご存じだと思います。「知能指数」ですね。しかし、IQのように数字では表せない大切なものがあります。それがEQなのです。EQとは「こころの知能指数」のことで、EQのEは英語のEmotionalで“情緒”や“感情”と訳されております。つまり“こころ”のことです。EQは、今から15年ほど前に注目された言葉であり、どちらかというとビジネスの方面で「こころの鍛え方」などのタイトルで本が出されたり、ビジネスの上で成功するにはIQだけでは足りない、とか言われていたものであります。
 私は、人間の「言動」つまり、言葉と行動はすべて心の有り様(よう)に始まると考えています。
仏教では人間の欲望を大きく三つに分けております。その三つとは、貪欲(とんよく)・瞋恚(しんに)・愚痴(ぐち)で三毒の煩(ぼん)悩(のう)と言います。すべて字の如く、貪欲は貪り欲すること、瞋恚はいかりのこと、愚痴はブツブツと愚痴ることです。いずれも、自己中心の考え、それにもとづく事物への執着心から生ずるものであります。つまり、心の有り様なのです。わかりやすく言いますと、自分の心をどのようにコントロールするかということです。
 心の持ち方、感情を落ち着け、情緒を常に安定したところには、素直な心と謙虚な心が根づきます。その心の有り様をみんなが意識して日々の生活を送れば、本当にすばらしい人間関係や環境が築けるはずなのです。
 本校では、何よりもまず第一に「生活偏差値」を高めようということを重点目標にしております。実は、この生活偏差値の基本になるのがEQ(心の知能指数)なのです。このEQを高めることが、人間力を高めることになり、ひいては学力向上に繋がると確信しております。
 具体的に言いますと、平安には3つの大切があります。
「ことばを大切に・じかんを大切に・いのちを大切に」です。難しい言葉で言えば建学の精神です。これは、平安がどういう人間づくりを目指し、教育活動を展開するかを謳ったものです。
 まず「ことば」は心の表れだから、素直な心と謙虚な心を持って、常に心を整えるようにしなさい。 
次に「じかん」は時々刻々と進んでしまいますよ。今日すべきことを明日に延ばしてはいけませんよ。今というじかんを大切にしなさい。
 最後に「いのち」を磨くのは自分しかいませんよ。いつまでも親や先生を頼ってはいけません。今は自分のいのちを磨く時です、しっかり磨きなさい。
 我々教職員は、みなさんに叱咤激励の声を常にかけ続け、特に担任は、みなさん一人一人と膝をつき合わせ対峙し、しっかりと関わっていきます。みなさんはEQを高めるべく心豊かな学園生活を送られることをお願いしまして、私の式辞といたします。