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平成26年度 平安会役員会 2014年06月03日(火)08時06分

校長挨拶

 5月1日の本願寺新報『みんなの法話』に「親のよび声」と題して、次のような内容が記されていましたので、ご紹介いたします。
 ある年の保育園の運動会でのことです。頑張って練習してきた園児たちの晴れの舞台。園児の親だけではなく家族も駆けつけ、応援席では絶えず大きな声援があがっていました。閉会式も終わり、いよいよ解散となりました。
 担任の先生が整列している園児一人一人とお別れの挨拶をしていますが、どの園児もそわそわして心ここにあらずという様子です。そして、先生との挨拶が終わるやいなや、勢いよく走り出し、「お母さん!」「お父さん!」と大きな声を上げながら、家族のところへ脇目も振らずに一直線です。どの園児も満面の笑みを見せ、安堵した様子で帰って行きました。
 驚いたことには、走って行く方向を間違えた園児は一人もいませんでした。よくよく思い返しますと、演目の最中でも、親や家族からの声援に手を振って応え、向けられたカメラにピースサインで応える園児を何人も見ました。園庭を囲む数百人の中からでも、親や家族の声や顔を聞き間違えることも、見間違えることもなく、その居場所を必ず見つけ出すことができるのです。自分の親や家族を間違えない園児がすごいのでしょうか。
 ところで「お母さん」「お父さん」と呼び始めたのはいつ頃からでしょうか。身近にいた人を自分が勝手に親と決めつけ、呼び始めたわけではないはずです。それは「私があなたのお母さんだよ」「私があなたのお父さんだよ」という、親の方からわが子に向けた名のりに始まることでしょう。
 また、この名のりは子どもにとってどんな存在であるのかをも知らせています。そして、早く私の名(お母さん、お父さん)を呼んでほしいという思いをもって呼びかけ続けるのです。この呼びかけはいつもわが子を慈しみ、一度この名を呼んでくれればすぐそばに寄り添い、不安な思いをさせることはないという親心で満ちあふれています。
 ですから、子どもが親を間違えることがないのは、この親心のおかげであり、子どもの口に出た「お母さん」「お父さん」の一言は、両親の強い思いが確かにわが子に届き、まさしくそこにはたらいていることを物語っているのです。
 以下、省略させていただきますが、このあと、親がわが子を思うように、阿弥陀さまは私をわが子であると慈しんでくださる親さまなのであります。と続いていきます。
 10数年前、少年鑑別所・少年院・女子の少年院を見学したことがあります。すべての院長先生方が口をそろえて言われたのが、この子たちにもう少し親が関わってくれていれば、誰一人ここに来る必要は無かったでしょうね。と言う言葉が今も忘れられません。
 まさに、親子の関わりの大切さをつくづく感じていることであります。
 今年度の学校方針を「規律と統制」としました。あえて、ルールとマナーと置き換えております。決して生徒に迎合するのではなく、子どもにはしっかりと我慢をさせる。現代の子どもは昔に比べて絶対的に我慢が足りません。今一度、決められたことをしっかり守ろう。ダメなことはダメと言おう。自分がされて嫌なことは他人にもしない、他人の心の痛みをわかろう。当たり前のことを当たり前にということで新年度のスタートを切りました。
 一年間いろいろとお世話になりますが何とぞ宜しくお願い申し上げます。