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御礼 第4回 学校説明会 2014年12月07日(日)17時30分

本日2014年12月7日(日)第4回生徒保護者対象学校説明会(【中学】午前10時~【高校】午後1時~)を開催いたしましたところ【中学】約150組【高校】約450組の受験生・保護者にご来校いただきまして誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

学校長挨拶
 今日12月7日は暦の上では「大雪」であり、本当に寒さが厳しくなってまいりました。本日は本校の「2015年度入試の学校説明会」にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
 さて、明治9(1876)年、滋賀県彦根の地に「金亀(こんき)教校」として創立されました本学園も今年139年目に入りました。そして創立以来、今日まで138年間、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い、宗教的情操の涵養(かんよう)を理想とし徹底した仏教教育を貫いております。これを「建学の精神」と言いますが、中学生にも高校生にもわかりやすく、日常の心得として「ことば・じかん・いのちを大切に」と申しております。
 この『三つの大切』の中の「いのちを大切に」という言葉に付記しております「いただいている・願われている・支えられている」という言葉には、私たちは「生きている」のではなく、実は「生かされている」という意味が込められています。ところが、わたしもみなさんも「生かされている」ということには、なかなか気づけないものですね。
 浄土真宗本願寺派では「食事のことば」を定めております。私たちが食前に申します【食前のことば】には「多くのいのちとみなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。深くご恩を喜び、ありがたくいただきます」とあります。
 この「多くのいのち」という表現には、多くの動植物のいのちをいただかなければ生きていけない私たちのあり方への「慚愧(ざんき)」の思いが込められています。慚愧とは、難しい言葉ですが「自分の見苦しさや過ちを反省して、心に深く恥じること」ですから、多くのいのちをいただいてしか生きることのできないこの私を恥ずかしく思うことであります。
 また「みなさまのおかげ」という表現には、食事に携わる人々のご苦労に対する「感謝」の思いが込められています。この【食前のことば】は食事が空腹を満たすだけではなく食事というめぐみを通して、私たちのいのちを支えているものへの「ご縁」を知らせていただいています。
 このように、多くのいのちによってめぐまれた私の人生ですから、ご報謝(ほうしや)させていただく決意が生まれます。もちろん、食事だけではありません。普段、私たちは何気なく生活していますが、その一つひとつを「ご縁」というまなざしから見れば、そこに多くの「おかげ」や「ご恩」があり、私のいのちが支えられていることが見えてきます。だから「生きている」のではなく「生かされている」と見るのです。
 ここに、一般的な見方と仏教的な見方の違いがあるのです。
 普段、自分の人生は自分で生きているとしか考えませんが「お念仏の世界があるよ」「仏さまの世界が真実の世界なんだよ」とわかったとき、今までは「自分が生きている」と思っていたのですが「自分で生きているんじゃない、仏さまの手のひらの中で生かさせていただいているんだ」とわかるのです。
 このように思えることは、視点の大きな転換です。ここに仏教的な見方のすばらしさがあるのです。この考え方こそ、龍谷大平安がみなさんに願っていることであります。
 このような考え方、この精神は、私が常々生徒たちに言っている「EQ](心の知能指数)です。いつまでも、親や先生を頼らず、自分の「心」は、自分自身でしっかりと磨きなさいと言っている『こころの知性』のことです。
 心を一本の幹(き)に例えた時に土の中にあって、目に見えない根っこの部分を磨くことが「平安の心の教育」だと考えています。
 これを龍谷大平安では「宗育」と申しておりますが、この「宗育」があってこそ、根っこから吸収されるすべての栄養源「EQ]こころの知性を人間力として枝に運ぶことが出来るのです。
 さて、龍谷大平安は、面倒見のいい学校だということをあちらこちらから言われ、たいへん嬉しく思っております。しかし、私はもう一歩先に行きたいと考えています。と言いますのは、面倒見がいいと言っても、乳幼児には乳幼児の、小学生には小学生の年齢に応じたケアがあって、中学生や高校生にとっては面倒見の良さは「分かるまで教える」ことではないと思います。
 中学生・高校生の年齢には「わかろうとする心をつくる、その手伝いをする」ことが面倒見がいいということだと考えます。本当の意味で真の自立をさせるために、龍谷大平安は、面倒見の良さは変わりませんが「上質の面倒見の良さ」を提供することをお約束いたします。
 このあと、具体的に説明いたしますので、よくお聞きになって、是非とも学校選びの一番に本校をあげていただきますよう切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。