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平成28(2016)年度 龍谷大学付属平安高等学校・中学校 入学式 2016年04月07日(木)12時29分

学校長式辞

 春爛漫の今日の佳き日、本日ここに、龍谷大学付属平安高等学校の平成28(2016)年度入学式を挙行いたしましたところ、浄土真宗本願寺派総務 霍野廣紹 様、龍谷大学学長 赤松徹眞 様をはじめ、平安同窓会・保護者会の役員の方々、多数のご来賓のご臨席を賜り、衷心より御礼を申し上げます。
新入生456名のみなさん、龍谷大学付属平安高等学校へのご入学、おめでとうございます。
~以下、中学入学式/式辞内容~
 新入生119名のみなさん、龍谷大学付属平安中学校へのご入学、おめでとうございます。新入生の保護者のみなさま、ご子女の晴のご入学を心よりお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。
 さて、今から5年前の3月11日、東日本大震災が起きました。また、今から21年前の1995年1月17日、阪神淡路大震災が起きました。時間とともに記憶から薄れてしまいそうになりますが、私たちはこのことを決して忘れることなく心に刻んでおかなければなりません。そして、今こうして今日のこの日が迎えられたことを、心から「ありがたい」と感謝いたしたいと思います。
 それでは、私の式辞は、本年2016(平成28)年、本校が創立140周年を迎えるにあたり『建学の精神』を広く深く伝えたいとの願いのもとに作成しました「平安の願い“三つの大切”」から「ことばを大切にⅠ」という中学生向けの文章の内容を少しご紹介いたします。

ひとつのことばで けんかして
ひとつのことばで なかなおり
ひとつのことばで 頭が下がり
ひとつのことばで 心が痛む
ひとつのことばで 楽しく笑い
ひとつのことばで 泣かされる
ひとつのことばは それぞれに
ひとつのことばを 持っている
ひとつのことばは 大切に
ひとつのことばは 美しく (「ひとつのことば」)

 詩人の北原白秋さんが作ったとされる「ひとつのことば」という詩です。みなさんは、家族の人たちをはじめ、学校の先生や友だちと会話をするとき、きちんと言葉を選んで使っていますか。この詩で言われているように、自分が発したひとつの言葉で、相手とけんかになることがあります。しかし、相手が親しい関係であれば、「ごめん」の一言でなかなおりすることができます。それだけ口から発せられる言葉の力は大きく、ひとつの言葉であっても、相手を笑わせ喜ばせることもできれば、泣かせ悲しませてしまうこともあるのです。
 お釈迦さまは、次のようにお説きになりました。

 人が生まれたときには、実に口の中に斧が生じている。愚者は悪口を言って、その斧によって自分を斬り 割くのである。(『ブッダのことば』)

 「口の中に斧がある」というのは、言葉のことを指しています。相手が嫌がるような悪口を言うことによって、言葉という見えない斧が自分の心をも傷つけているということです。それは相手の心も傷つけることになり、どれだけ言葉の力が大きいかがわかります。普段から汚い言葉や乱暴な言葉を使わないように意識することを心がければ、まわりの人の心も自分自身の心も傷つかずにすむのではないでしょうか。
 人と会話をするときは「正確な言葉」を使い、思いやりのある心で「やさしい言葉」をかけ、「ていねいな言葉」を使う。平安では「建学の精神」のもと、この3つのキーワードを大切にしています。
 これらのキーワードを心に留めて、これから始まる生活のなかで、相手を思いやる気持ちを大切に、たくさんの新しい友だちと良い関係を作っていってください。
 と記しています。これから大人の階段を一段一段登っていくみなさんへ。どうか、心が喜ぶ素敵な言葉を使ってください。優しい思いやり溢れる言葉を、口にしてください。言葉には、自分を幸せに導く素晴らしい力があります。それが「ことば・じかん・いのちを大切に」と申しております龍谷大平安の願いでもあります。
 新入生のみなさんは、あちらこちらから、縁あってこの龍谷大平安に入学なさいました。どうして友達になろうか、それぞれの育った環境も言葉も違うから、どんな言葉で話せばいいだろうか、という不安もあるかも知れませんが心配はいりません。先にも申しましたが、みなさんはこれからも、心が喜ぶ素敵な言葉を使って、優しい思いやり溢れる言葉を口にしてください。このことを心がけていただければ、素晴らしい友、仲間が自然と出来ます。
 ご本尊であります、阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)は、常に私たちを照らしてくださっています。そんな中で、私たちは心の持ち方、感情を落ち着け、情緒を常に安定させましょう。すると「素直な心」と「謙虚な心」が根づきます。そんな、心のありようを意識して、おかげさまで~ありがとう“感謝”、の心を持って日々の生活を送ってください。
 私たち教職員は、みなさんを時には叱り、時には励ましの声を、常にかけ続け、特に、担任は、みなさん一人一人と膝と膝をつき合わせて、しっかりと関わっていきます。みなさんは、しっかりと「こころの知性」を磨き、人間力を高めるべく心豊かな中学校生活を送られることをお願いしまして、私の式辞といたします。