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いのちの一行詩 2020年12月07日(月)09時14分

高校3年生の「秋の人権学習」を実施いたしました。テーマは『犯罪被害者の人権』です。

2004年に「犯罪被害者等基本法」が制定されました。少年事件の場合、保護観察や少年院送致のように、「更生する可能性が大きい」ということから、少年の人権に配慮し、矯正教育が施されます。しかし、被害者やその家族には「なぜ犯罪に巻き込まれたのか」「少年の処遇はどうなったのか」等は知らされないのです。また、犯罪被害者に対する「近所の噂」「学校での噂」で、その人達の人権は著しく侵害されている実情もあります。2008年からは、犯罪被害者や遺族が刑事裁判に出席し、被告人や聖人への質問や量刑について意見を述べることができる被害者参加制度が導入されることになりました。

今回、生徒へのご講演をお願いしましたのは、岩城淳子さんで、犯罪被害者支援コーディネーターをされている方です。大学生だった愛息が傷害事件に巻き込まれ、他界されてから16年。悲しみと向き合いながら、犯罪被害者遺族として、全国各地で重ねられた講演は150回を超えたそうです。「被害者がどんな気持ちなのか、ひとりでも多くの人に知って欲しい。機会をいただける限り、どこにでも行って話をします。」とのことです。

写真例年のことですが、生徒たちはこのご講演を聞いて、事後学習の一環として『いのちの一行詩』を書きました。その代表作を、次に紹介いたします。

・寄り添うことの大切さ
・他人から大切にしてもらうのは難しい 
   けれど他人を大切にすることは簡単だと思う
・わかっているつもり なぐさめているつもり
   それでもいのちはきずだらけ
・いらないよ その一言
・泣いている人を見かけたら そっと寄り添ってあげよう 
   言葉なんかいらない ハンカチとぬくもりをあげよう
・大切に 親からもらった 初プレゼント
・いらない命など 一つもない
・「大丈夫?」 その一言で 誰かのこころが救われる
・「ありがとう」と「ごめんなさい」が言える人は素敵な人
・生きてきたようで生かされている そんな私であってあなたである
・こぼれるまえにうけとめて うけとめるよ いっしょにね
・人と人との繋がりで救える命がたくさんある

「ことばを大切に」
「じかんを大切に」
「いのちを大切に」
龍谷平安の「建学の精神」です!