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2024(令和6)年5月 今月の聖語・言葉について 2024年05月01日(水)09時00分

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今月の聖語・・・正門聖語板
今月の言葉・・・教室掲示

【今月の聖語】
 親鸞は弟子一人ももたずそうろう  『歎異抄』
 
 『歎異抄』は唯円が書いたものとされています。唯円は親鸞聖人の弟子の一人で、聖人にはその他にもたくさんの弟子がいたと伝えられています。
 ところが親鸞聖人は、今月の聖語を仰います。「自分に弟子は一人もいない」と。その理由は、仏さまの前では師も弟子もなく、誰もが同じ念仏の道を歩んでいるからです。
 私たちは社会の中で様々な立場を与えられます。例えば、学校ではクラス役員・クラブのキャプテン・先輩後輩などです。ときには人の上に立ったり、指導する立場になることもあるでしょう。しかし広い視点で見れば、皆同じ道を歩む仲間です。
 傲慢(ごうまん)になることなく、人とのご縁を大切にしたいものです。

【今月の言葉】
今を生きて咲き今を生きて散る花たち
今を忘れて生き今を忘れて過ごす人間たち
                         坂村真民

 今月の言葉は「今というじかんの大切さ」を示しています。
 さて筆者の庭には四月の中旬頃から椿(つばき)の花が咲いていました。毎年この季節になると、たくさんの大きな花を咲かせたかと思うと、また二週間ほどでその花を地面にぽとぽとと落として散っていくのです。
 眺めていてきれいだなと思う反面、すぐに散っていくので寂しさも感じます。同時に、「すべてのものは移ろいゆく」というお釈迦さまの諸行(しょぎょう)無常(むじょう)の理(ことわり)を思うと、椿だけに限ったわけではないことに気づかされます。老・病・死は、人間も含めたすべての生きとし生けるものに訪れるのです。
 しかし翻(ひるがえ)って私たちの「今」を考えてみるといかがでしょうか。無常の道理を頭でわかっていても、今を漫然と過ごしてしまうことがあるかもしれません。今月の言葉は私たちに厳しく問いかけているのではないでしょうか。
 本当に今、大切にすべきことは何か、と。