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花まつり 2021年05月08日(土)15時31分

 本日3限目は高校2年生・3年生、「花まつり」の行事でした。浄土真宗本願寺派布教使鴬地清登先生をご講師としてお招きし、2年生は講堂で、3年生は各教室でオンラインでリモート視聴しました。コロナ禍、学年仏参もままならず、日々HR仏参に慣れているせいか、講堂に学年が一堂に会する宗教行事がより新鮮に感じられました。
 約2600年前の4月8日、ルンビニー園という花園でお生まれになったので、お釈迦さまの誕生日を今日「花まつり」といって祝っています。お釈迦さまがお生まれになったときのエピソード――生まれたばかりのお釈迦さまは、その場ですっと立ち上がられ、東西南北に7歩ずつ歩かれ、右手で天を、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」とおっしゃいました。天上天下とは、「天の上にも天の下にも」、この大宇宙ということ。そして唯我独尊とは、「われわれ一人ひとりに、たった1つの尊い使命がある」ということだそうです。「この広い大宇宙を前にして、私たち一人ひとりに、たった1つの尊い使命があるのだ。それを伝えにやってきた」というお釈迦さまの気持ちが、お生まれになってすぐ「天上天下唯我独尊」とおっしゃったというお話となって伝わっています。また、生まれてすぐに東西南北に7歩ずつ歩かれたという、この7という数字は、6に1を足した7です。ここでの7という数字は「六道から抜け出す」ということを意味するそうです。仏教でいう「六道」とは、迷いや苦しみの果てしない旅のこと。苦しみや悩みに満ちた果てしない旅を抜け出し、一人ひとりが本当の安心を得て満足の身になるために、この世に生まれてきたのだよということを表すために、お釈迦さまは東西南北に7歩ずつ歩かれたといわれています。
さて、私たちが生きているということは、さまざまな人とのつながりや、支えがあります。両親がいなければ、この世に生まれることはできませんでした。祖父母や兄弟、友人、学校の先生など、私たちが今日まで成長し、生きてきた中には、無数の人々のつながりや、支えがあったことは明らかです。また、大地や大気、自然の恵みを得て、私たちの命はつながっています。何一つ欠けても、私たちが今ここにいることはなかったでしょう。「どんな人も幸せになるために生まれてきた。幸せになれるのだ」と説いていかれたのが、お釈迦さまだそうです。どんな人も、苦しむために生まれてきたのではありません。幸せになるために生まれてきたのです。そして、どんな人の命も、幸せになることができる命なのです。さあ、目を閉じ、心を落ち着け、あなたに届いているつながりや支えを振り返ってみませんか。無数のつながりがあり、そこからいろいろなやさしさが届けられていることに気づくことでしょう。