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平成26(2014)年度 平安会総会 校長挨拶 2014年05月20日(火)16時29分

学校長挨拶

 保護者のみなさまには、平日のたいへんお忙しい中、ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。平素は、学園に対しまして、ご理解とご協力を賜りまして、心より御礼申し上げます。
 さて、ご承知の通り、本校硬式野球部が第86回選抜高等学校野球大会におきまして、見事「日本一」に輝いてくれました。過日4月24日優勝報告会を開催いたしましたので、その際、ご挨拶させていただいた内容をご紹介いたします。
 この度の優勝は、京都勢としては、京都一商(現西京)が昭和23年に優勝して以来、実に66年ぶりとなる、2度目の全国制覇であります。本校をみましても、平安の選抜大会は、ベスト4が最高の成績で、しかも、それは40年前の昭和49年のことです。夏の選手権は32回の出場で昭和13年・26年・31年と3回の全国制覇がありますが、そこから数えても、58年ぶりに手にした栄冠ということになります。全国最多出場を誇っている「平安」でさえも、今回が4度目の優勝なのであります。全国の頂点に立つということが、どれほど難しいかということでしょう。
 まず、この度の優勝で何よりも、私が嬉しかったのは、さまざまな場面でのインタビューで、選手たちの口から飛び出す言葉は、常に「支え」「お陰さま」「感謝」でありました。このような言葉が、自然に口から出ることこそ、親鸞聖人のみ教えを建学の精神とする「平安」に学ぶ意義を、しっかりと示してくれました。ここまで子供たちを育ててこられたご両親をはじめご家族やまた野球という競技を通して関わってこられたすべての方々が、このように子供たちを成長させたのでありましょう。
 また、試合直後の「龍谷大平安」ダッグアウトの様子は、さすがと言えるものでした。閉会式の終盤、ベンチに入れていただき、私がまず目にしたのは、整然と並んだグラブ・手袋・バットケースなど、個人のセカンドバッグにいたるまで、それこそ一糸乱れず整然と並べられていることでした。目に見える華やかさではなく、目に見えないところの大切さを本校硬式野球部は身をもって実践してくれていました。
 自画自賛ですが「天下の平安」まさにここにあり!であります。
 本年(2014年)6月には、法統継承式が執り行われ、現在のご門主から新門さんに法統が継承されます。浄土真宗本願寺派では「次代へのみ教えの継承」を掲げておられますが、人は兎角、目に見える華やかさを望みますが、私は、その裏にある見えないものの大切さこそが大事で、これこそ次代へ継承すべきことではないかと気づかされることであります。
 今年度の学校方針を「規律と統制」としました。あえて、ルールとマナーと置き換えておりますが、今一度「決められたことをしっかり守ろう」「ダメなことはダメと言おう」「自分がされて嫌なことは他人にもしない、他人の心の痛みをわかろう」当たり前のことを当たり前に…ということで原点に戻ろうと新年度のスタートを切りました。
 子どもは自分に都合の良いことしか言いません。それは、教師だけではなく、親にでも一緒です。そんな中で、私たちは子どもに振り回されていないでしょうか。本当の意味で、生徒に迎合するのではなく、しっかりと子どもに、ダメなことはダメと言えているでしょうか。子どもにしっかりと我慢をさせているでしょうか。我慢が足りない子どもは、社会に出てから問題を起こす、あるいは、情緒不安定になるリスクが高いというデータが出ています。
 とにかく、2014年度のスタートに際し、教員には褒めるときはしっかりと褒める、叱るときはしっかりと叱る、ということを実践するようにと申しました。そんな中で、生徒との信頼関係をしっかりと築くためには、ねぎらい・気配り・人の気持ちがわかる上手な関係づくりを心がけなさいとも申しました。
 子どもたち一人一人としっかりと対峙して教育に当たりますので、何とぞ、ご理解をいただき、更なるご尽力を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。