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2020(令和2)年7月 今月の聖語・言葉について 2020年07月01日(水)09時00分

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今月の聖語・言葉を紹介します。

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

□今月の聖語
怒らないことによって 怒りにうち勝て  『ダンマパダ』

『ダンマパダ』とは、釈尊の教えを集めたもので、人間そのものへの深い反省や生活の指針を短い句によって示したものです。
 度々紹介しているように、仏教でいう三毒煩悩の一つが怒りの心を意味する「瞋恚(しんに)」です。煩悩は、私たちの心身を乱し、悩ますため、離れるべきものだと釈尊は教えます。しかしながら、日常生活の中でも、自分の意に反して思い通りにならないことが起これば、怒りの心を抱くことがあるのではないでしょうか。少し落ち着いて判断すれば、その時の状況や相手の言い分も理解することが出来るかも知れませんが、一旦怒りの心に火がつくとなかなか冷静になれないのが現実だと思います。結果的に怒りの心で相手を傷つけ、周囲を不快な気持ちにさせ、自分自身も嫌な気持ちになってしまいます。したがって、怒りの心は自他共に傷つく結果につながりかねません。
 今回紹介した言葉は、日常生活の中で重なる場面がきっとあるはずです。その時は、今回の釈尊の言葉を思い出し、自分自身の心を少しコントロールしてください。


□今月の言葉
歩んでいても、とどまっていても、ひとの命は昼夜に過ぎ去り、とどまりはしない。 -河の水流のようなものである。  『ウダーナヴァルガ』

 河の流れが一時も止まらないように、すべてのものは移り変わっていきます。これを仏教では「諸行無常」といい、釈尊の中心となる教えの一つに数えます。
早いもので学校が臨時休校から再開して一ヶ月が経ち、暦の上では七月を迎えました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今までの日常の過ごし方と比べて「新しい生活様式」が示すように大きく変化しました。これまでの何気ない日常が一転するような今回の混乱の中で、当たり前は決して当たり前でないこと、そして世の中も移り変わっているという「諸行無常」を痛感した人も多いだろうと思います。
 釈尊は入滅される前に「世は無常である。怠ることなく精進するように」と言い残されています。私たちの命も、また日々過ごしている日常も、全てのものは有限であり、変化しています。変化し限りがあるからこそ、「今」というこの瞬間が尊く、貴重だといえます。水流のように流れ、二度と戻らないこの時間の意味を改めて深く考え、自分の目標に向け精進してください。  合掌