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2021(令和3)年5月 今月の聖語・言葉について 2021年05月01日(土)10時00分

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今月の聖語・言葉を紹介します・

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

【今月の聖語】
田あれば田に憂へ 宅あれば宅に憂ふ  
                     『ダンマパダ』

 現在スマートフォンの所有率は、高校生で約九一%、中学生で約八〇%と言われています。一日の平均使用時間は、高校生は四時間で、中学生は三時間。情報教育が少しずつ進んできたとはいえ、適切に利用できない人が少なくありません。中にはネット依存に陥(おちい)る人もいて状況は深刻で、治療部門を設置する病院もあるほどです。
聖語の意味は、田や家を持っている者は、それらをもつことでかえって悩みがふえるということ。もたなくても悩みを抱えることにもなりますが、問題は所有(しょゆう)の有無ではなく、際限(さいげん)なく求める自らの煩悩にこそあります。問題の根本は自分の内にあるという自覚が、憂(うれ)いを解決する第一歩。ブッダはそのように説きます。
スマート(smart)は賢いという意味ですが、スマートフォンの使い手である我々も、使い方や使用時間を考えて、スマート(・・・・)に(・)使いたいものです。今月の花まつりに際して、賢者ブッダのお智慧(ちえ)から学ばせて頂きましょう。

【今月の言葉】
他を生かし続ける無量寿の「いのち」
                             東井義雄
 
 「寿」という漢字には、「いのち」という意味があります。今月の言葉では、無量寿すなわち「はかることができないいのち」という意味として用いられます。つまり、無量寿とは、単に自分自身の限定的ないのちを指しているのではなく、無限のつながりをもったいのちを指しているのです。
 例えば、この私は一人で生まれてきたわけではありません。父母の存在なくしてこの私はありませんし、父母もその父母からいのちのバトンを受け取ったわけです。さかのぼれば無限のいのちのつながりがあります。
 そう考えれば、いのちとは自分だけのいのちとはいえないのです。無限のいのちのつながりの中に、自分のいのちもあるのです。換言すれば、「はかることができないいのち」が私を含め、他を生かし続けている。今月の言葉はそのようなことを言っているのではないでしょうか。