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2021(令和3)年5月 御命日法要について 2021年05月19日(水)09時00分

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2020(令和2)年度 御命日法要【5月】                       
私たちのちかい  一、自分の殻(から)に閉じこもることなく
           穏(おだ)やかな顔と優しい言葉を大切にします
           微笑(ほほえ)み語りかける仏さまのように
         一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
           しなやかな心と振る舞いを心がけます
           心安らかな仏さまのように
         一、自分だけを大事にすることなく
           人と喜びや悲しみを分かち合います
           慈悲(じひ)に満ちみちた仏さまのように
         一、生かされていることに気づき
           日々に精一杯(せいいっぱい)つとめます
          人びとの救いに尽くす仏さまのように


 5月5日は「こどもの日」。子どもをモデルにした伏見人形に「饅頭喰い人形」がある。半分に割ったまんじゅうを両手に持った男の子の立ち姿で、伏見人形を代表するものの一つ。ある大人が「おとうさんとおかあさんと、どっちが好き?」とたずねたところ、子どもはまんじゅうを二つに割って、「おじさん、このまんじゅう、どっちがおいしい?」と問い返し、大人は二の句が継げなかったという。何事も二つに分けて、どちらか一つをとろうとする人間の思考パターンをいさめているのだろう。
 浄土真宗七高僧の第六祖・源信和尚(げんしんかしょう)にも似た逸話がある。幼い頃、川で鉢を洗っている僧を見て、「お坊さま、むこうの川のほうがきれいですよ」と教えたところ、その僧は「すべてのものは浄穢不二(じょうえふに)。きれい、きたないは凡夫(ぼんぶ)の心の迷い」とこたえた。幼き日の和尚はすかさず「それじゃ、どうして鉢を洗うの?」と問い返した。この時の僧の勧めによって、和尚の出家の話が決まったという。 
10円硬貨で知られる平等院鳳凰堂の阿弥陀如来坐像は、寄木造りの大成者・仏師定朝の作で、以後の仏像は定朝による童顔を踏襲したといわれる。童顔こそ、この世の汚れに染まらぬ純粋な仏の境界に最も近いということだろうか。大人に成るということは、成長とともに、いろいろな濁りに身を染めることでもある。こどもの日は、大人が子どもに学ぶべき日でもある。

「2021(令和3)年5月1日(土) 本願寺新報『赤光白光』より」


5月御命日法要
○ 日時 5月19日(水)13時30分~
○ 場所 講堂
○ 勤行(讃仏偈)のみ