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令和3年度 宗祖降誕会・開校記念式 2021年05月21日(金)16時00分

 今日は本校において、宗祖降誕会並びに開校記念式を実施しました。5月21日は、浄土真宗をお開きになられた宗祖親鸞聖人のご誕生をお祝いするとともに、開校した記念すべき日でもあります。

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 1限目は中学・高校1年生の部で、中学生は教室、高校1年生は講堂に分かれて出席し、摂津市の野田茜先生(本願寺派布教使)のご法話をいただきました。

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 降誕会は親鸞聖人のお誕生日であり、親鸞聖人がこの世にお出ましくださったからこそ、阿弥陀さまの教え(南無阿弥陀仏)に出遇わせていただける。野田先生は相愛高校(大阪にある宗門校)のご出身で、阿弥陀さまのお話を聴き、「私は一人じゃなかった、阿弥陀さまがいてくださっている。私は一人じゃない」と、「南無阿弥陀仏」と声に出すことで心が落ち着くとおっしゃいました。そんな風になったのは相愛高校に通われたからであり、何十年経って同窓会があっても、同級生も覚えていることは阿弥陀さまのことだそうです。その阿弥陀さまのお心は、お経には「大きな慈悲のお心である」と書かれていて、慈悲の「慈」は慈しむ、「悲」は相手の苦しみを除いてあげたいというお心です。それは相手への痛みの共感、苦しみの共感であり、1人でも「辛いね、悲しいね」と思って下さる方がおられたら、私たちは一歩前に進んでいける世界がひらけてきます。
 ここで、野田先生が高校1年生のときに聞かれたお話です。ある広島の高校で起こった出来事で、水泳の学級対抗リレーが行われるにあたり、選手を4名選ばなければならなくなりました。まず3人はすぐに決まり、残りの1人に足が不自由なA子さんが選ばれました。いじめっ子の番長が「彼女を無理やり泳がせてみんなで笑ってやろう」という意図のもと、彼女を推薦したからです。そして学級対抗リレー当日、A子さんは一生懸命泳ぎましたが、なかなかゴールまでたどり着けません。そんなとき、1人の背広姿の男性がプールに飛び込み、「大丈夫、大丈夫、あともう少しだから」と言う励ましを受け、A子さんは無事に25メートルを泳ぎ切りました。同級生たちも途中からA子さんを応援するようになり、ゴールしたときはみんな涙を流したそうです。その背広姿の男性は、その高校の校長先生だったのです。
 私たちもいろいろ辛いことや思い通りにならないことはたくさんあります。そんな涙する私のところまで飛び込んでくださったのが阿弥陀さまです。阿弥陀さまはどんな形で私のところに来てくださるのか。それは「南無阿弥陀仏」という声であり、私たちが自分の思いを言葉で伝えるように、「あなたは一人じゃないよ、あなたのその苦しみ悲しみを共に背負って、一緒に歩んでいるこの阿弥陀がおるよ」ということを伝えるためであると、野田先生はお話されました。


 3限目は高2・高3年生の部で、高校2年生が教室・礼拝堂、高校3年生が講堂で出席し、広島の中村啓誠先生(本願寺派布教使)のご法話をいただきました。

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「相手に合わせることが優しさ」というテーマでした。中村先生は元々お寺のご出身ではなく、高校生のときに『歎異抄』を読んで感動し、親鸞聖人に憧れたそうです。そして、親鸞聖人を「この人は絶対自分を拝めと言わないお方」とみて、親鸞聖人が「人間(親鸞)の言葉を当てしてよりどころにせず、ただあなたのところに届いている阿弥陀さまのお言葉をよりどころにしていくこと」を示されたのだとおっしゃいました。
 次に、中国の伝説上の鳥「鸞」のお話をされました。「鸞」は中国の伝説上の鳥であり、綺麗な羽根を持つ美しい鳥です。それに対して、雛の方は醜い姿をしています。そのため、雛は「お母さん」と認識してくれず、「鸞」は泥の池にわざと泥で汚し、同じ姿になって雛に与えたそうです。そのことから、中村先生は「親というのは有り難いものであり、子供のためなら汚さは厭わない」とおっしゃいました。
 阿弥陀さまは「阿弥陀如来」と言います。如来の「如」という字は、すべてのいのちはひとつながりになっていると見ることができる、仏さまの智慧の眼で見られた本当の世界と言う意味です。「来」という「来る」ということで、遠くにおられるのではなくて、私たち一人一人のところに届いて、いまはたらき続けてくださっています。中村先生は、「相手に合わせて降(くだ)っていくのが優しさというものの形だ」とおっしゃいました。そして、私たちが「南無阿弥陀仏」と拝ませていただくのは、私に降(くだ)って来ておられる阿弥陀様を実感するためです。「そういう阿弥陀さまと一緒だと思ったら、相手が苦しんでいるときに、なんとか相手に関わろうとして目線を合わせてほしい」と、中村先生は生徒たちへメッセージを込められました。