HEIAN BLOG 宗教教育 BLOG

記事一覧

2021(令和3)年8月 今月の聖語・言葉について 2021年08月01日(日)09時00分

ファイル 482-1.jpgファイル 482-2.jpg

今月の聖語・言葉を紹介します。

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

【今月の聖語】
怨みに報いるに怨みをもってしたならば、ついに怨みのやむことがない。『ダンマパダ』

 1951年、サンフランシスコ講和条約が結ばれました。第二次世界大戦と国交回復について日本と連合国との間で結ばれた条約です。その際、敗戦国であった日本は各国から厳しい制裁措置を受ける状況でした。
 しかし、スリランカ代表のジャヤワルダナは異なりました。当時スリランカは日本軍から空襲を受けるなど少なからず損害を受けていました。にもかかわらず、彼は今月の聖語を述べた上で、日本への損害賠償の要求をしないという旨のスピーチを行ったのです。
 このスピーチが、当時日本に厳しい制裁措置を加えようとしていた諸外国代表の心を打ち、日本の国際復帰への道につながったといわれています。本条約締結後、世界で一番早く正式に日本と外交関係を結んだのもスリランカでした。
 これは歴史さえも動かしたブッダの聖語です。そしていまもなお、我々に語りかけているように思われます。怨みを怨みで返しても怨みはやまないし、何も解決しない、と。

【今月の言葉】
人が生まれたときには、実に口の中には斧が生じている。
愚者は悪口を言って、その斧によって自分を斬り割くのである。『スッタニパータ』

 「うざい」「むかつく」などの悪口。学校生活の中で、人のことをついつい悪く言ってしまい、相手を傷つけてしまうことがあるかもしれません。ところがブッダは、悪口を言った本人が自分を傷つけると仰います。これは一体どういうことでしょうか。 
 もしあなたがだれかに悪口を言えば、その人はあなたを憎み、あなたに悪口を言うかもしれません。そうなれば結局自分で自分を傷つけていることになるといえます。
 また、仏教では苦悩の本来の原因は自分の内側にある煩悩であると説かれます。しかしこの私は、悩みや苦しみを感じた時、往々にして人のせいにしてしまい自分の外側にその原因を求めることがあります。そうすると、真の解決には至らないどころか、自分で自分の首を絞めることになります。ブッダは、生まれて以来続けてしまっているこうした私の愚かなあり方を言い当てて、「愚者」と示されるのです。
 8月にあるお盆は正しくは盂蘭盆会(うらぼんえ)という仏教の行事です。お盆休みは、勉強・クラブなどに忙しいことと思いますが、ブッダの言葉にも耳を傾ける機会にしてくださいね。