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2021(令和3)年9月 御命日法要について 2021年09月14日(火)09時00分

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2021(令和3)年度 御命日法要【9月】                       
私たちのちかい  一、自分の殻(から)に閉じこもることなく
           穏(おだ)やかな顔と優しい言葉を大切にします
           微笑(ほほえ)み語りかける仏さまのように
         一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
           しなやかな心と振る舞いを心がけます
           心安らかな仏さまのように
         一、自分だけを大事にすることなく
           人と喜びや悲しみを分かち合います
           慈悲(じひ)に満ちみちた仏さまのように
         一、生かされていることに気づき
           日々に精一杯(せいいっぱい)つとめます
          人びとの救いに尽くす仏さまのように


歌舞伎役者・片岡仁左衛門さんの芸に対する思いを記した新聞記事に、「歌舞伎は『型』の芸、『様式美』と言われます。型から入ることは大切ですが、もっと大事なのは、なぜ、その型が生まれたのか、その理由、経緯を研究することです」とあった。こころ揺り動かされる思いがした。
その道を究めた人にして言いうることだと思った。私たちは、目の前にある型に目を奪われたり、その型を覚えることに一生懸命になる。もちろんそれも重要ではあるが、型の出てくる背景を考えていくことも大事だといえる。
浄土教の研究もそうだ。まず経典(浄土三部経)の文章(型)をとりあげる。しかし、浄土教がどう興起し、経典を編纂したのはどんな人たちであったのか、この点の研究を忘れてはいけない。単に型を覚えるだけでは、型そのものが持つ意味、今後のあり方を考えていくことにはつながっていかないだろう。
片岡さんはさらに、芸を書道の世界に例えて、「今の若い役者さんは大変器用でのみ込みも早く、最初からいきなり草書をうまく書けます。しかし、基本をしっかり学んだ人の草書と、そうでない人の草書は、見る人が見れば、一目瞭然です」と。楷書、行書があって草書ということである。早く結果を出したい、早く結果を知りたいという気持ちがどこかに潜んではいないか。華やかな活躍の姿のみに目を向けず、そこに到る過程に思いをよせ大事にしたい。基本を大切にするとは、そういうことであると思う。

「2021(令和 3)年 9 月 1 日(水曜日)本願寺新報『赤光白光』より」


8月御命日法要
○日時 9月14日(火)16時00分~
○場所 講堂(密を避けるため礼拝堂から講堂に変更しておつとめいたします)
○法話 勤行(讃仏偈)のみ