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2023(令和5)年2月 今月の聖語・言葉について 2023年02月01日(水)10時00分

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今月の聖語・言葉を紹介します。

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

【今月の聖語】
急いで善を行え 心が悪を楽しむ前に            『ダンマパダ』

 今月の聖語は、釈尊が示された言葉です。心が悪いことを楽しむ前に、急いで善い行いを行いなさいという意味です。
 さて昔、中国のあるところに、木の上にお坊さんが住んでいました。木の上に住んでいたので、鳥の巣和尚おしょう
とも呼ばれていました。
 ある時、白居易という有名な詩人がその和尚に次のような質問をしました。
 「仏教の大意とは何でしょうか」と。和尚は答えます。「悪いことをせず善いことをするということだ」と。続いて白居易は言います。「そのようなことは三歳の子どもでも知っています」と。さらに和尚は答えます。「三歳の子供でも知っているが、八十歳の老人でも行うのは難しい」と。
 この逸話が示すのは、善い行いをすることが大切なことは誰でもわかっているけれど、実行に移すのは本当に難しいことです。なぜそれが難しいのかに対する答えはこの逸話には示されませんが、今月の聖語はその答えを示してくださっているように思われます。
 寝る前におかしを食べ過ぎてしまった」「ゲームをやりすぎてしまった」・・・。
 ついつい悪いことを楽しんでしまうのがこの私です。でも少し立ち止まって、今月の聖語を思い出してくださいね。

【今月の言葉】
×より○がよく見える「心の目」を大切に       東井義雄
 
 数年前、筆者の担当する授業でたびたび集中力を欠いて私語をしたり、寝たりする生徒がいました。当時彼は、私の中では評価の「悪い」生徒でした。
 ある日仏参中にある先生が倒れられました。「バタン」という音で、周囲は騒然となりましたが、その中でいち早く先生の近くまで歩み寄り、手を握り「大丈夫ですか」と尋ねたのは、その「悪い」生徒でした。そのとっさの判断の良さは、大人を凌ぐものでした。目が覚める思いがしました。
 人間を一面的に評価してはならないし、そもそもできないということをその生徒が教えてくれたように思います。まさにこれは、一面的な見方にしばられない、そして一人一人の愚かさも尊さもまるごと認めていてくださる仏さまの視点です。もちろん仏さまと同じようにはなれませんが、家族・友人・クラスメイトとのさまざまな人間関係の中で、この視点を大切にしていければと思います。