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2024(令和6)年2月 今月の聖語・言葉について 2024年02月01日(木)08時00分

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今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示今月の聖語

【今月の聖語】
善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや
                        『歎異抄』

 親鸞聖人が示された有名なお言葉です。日本史や倫理の教科書に示され、かつてセンター試験(現共通テスト)にも出題されたことがあります。「善人でさえ往生できる。ましてや悪人ならなおさらだ」という意味です。
 往生というのは、仏の悟りの世界である浄土に生まれるということです。善い行いを積み重ねることで悟りに向かうというのが一般の道理です。ところが、善人よりも悪人こそが往生すなわち悟りに向かうことができるというのは、どういうことでしょうか。
 ここでの悪人とは、道徳的に悪いということではなく、阿弥陀仏の願いを聞き、自らの罪悪を深く悲しむ人のことです。また善人とは仏によらずとも、自らの善なる行いによってこそ、悟りに向かえると信じている人のことです。つまり、ここでの悪人とは、道徳的な善悪を超えて、自らが愚かな人間であることを悲しみながらも、そのような存在を対象に「必ず救う」と誓われた阿弥陀仏のお心を慶ぶ人のことをいうのです。

【今月の言葉】
あいつはキライ これはダメ あいつは困る 
こいつはいい と切り続ける 私はどうもハサミのようだ
                        平野 修

 この言葉を聞いた金沢市のある少年の言葉を紹介させていただきます。
 「僕もハサミだ。家にはお祖母ちゃんがいる、僕が学校から帰ってくると、宿題が終わるまで僕の机の横で見張っている。そんな時、こんなお祖母ちゃんはいないほうがいいな、と思う。でも、さつま芋の収穫を手伝った時、『よう手伝ってくれたね。これはお駄賃』と言って五百円を手に握らせてくれた時、お祖母ちゃん百年ぐらい生きて欲しいと思った。自分の都合でお祖母ちゃんが居ないほうがいい、居たほうがいいと思うのは僕もやっぱりハサミだね」 (川瀬智氏の法話より)
 ついつい自分の都合を優先させ、回りを顧みない「ハサミ」になってしまうこの私に、気付かせて頂く言葉。