HEIAN BLOG 高3学年 BLOG

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11月18日 仏参 2021年11月19日(金)21時20分

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今日は森口先生のお話をうかがった。
 「長所を知ることからできること」へ
 
 入学時の佛参で、「あなたの長所はなんでしょう?」と尋ねたことがあります。「高校3年の間に、こたえられるよう考えておきましょう…」といいましたが、胸を張ってこたえられますか? 
「自分のこころを耕すために…」と思い、今私は話をしているのですが。さてみなさんは、「ここで良かった」と思い、平安を卒業するのでしょうか…。担任団は、みなさんと関わりながら、「これで良かった」と思っているのですが…。
 いったい自分はどのよう進路を決定したのでしょう。このことは入学時から問われていたはずです。龍プロの人は、どのように学部、学科を決めたのでしょうか。特進の人はどうして志望校を決めたのでしょうか。多くの人々が、来年4月から新たな次のステージへ進むのです。

 私自身が教員になった理由は、「生徒と関わり、その人が成長する瞬間が楽しい」「サッカーがやりたい」ということからです。しかしその中で、どの教科を教えるのかで悩みました。「数学」なのか、「体育」なのか。そこで「何ができるのか」を考え、「数学」の教員になったのです。
 「好きなこと」「やりたいこと」を抜き、今のあなたたちは「何ができる」のでしょう。好きなことであっても、やりたいことがあっても、チャンスは巡ってきません。私たちは「次に進んだらやる」と放置してしまいます。でもそれは「いつでも言える」ことばではないでしょうか。あとわずかで別れるクラスメイトと、どう接していくのでしょう。授業もあとわずかになりました。教科担任の先生とどう接するのでしょうか。「知識の伝授や思考」という面だけではなく、「人の接し方」で考えて欲しいのです。特別なことを言っているつもりはありません。もう君たちは、出来るはずです。

 さて諸君は、「残された時間どうのように使うか」ということを、常々問われている。今日の森口先生のお話は、「自分」と「他人」という間で行われる、「コミュニケーション」から考える必要がある。お互いが「良い時間だったね」と言い合える関係のことだ。理屈ではない。平安で学んだ全てのことを振り返れば、自ずと行動できるのではないだろうか。今日の森口先生のお話をじっくりと味わい、考えて欲しい。

11月16日 人権学習 2021年11月16日(火)10時03分

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本日1・2限,講堂にて人権学習を実施しました。
本年度は犯罪被害者支援コーディネーターの岩城順子さんをお招きし,「いのちを考える教室」という講演をしていただきました。

岩城さんは,大切なご長男を理不尽な犯罪のせいで失いました。息子さんには何の落ち度もなく,ただある日突然一方的な暴力を受け,そのために脳に重い障害が残りました。
岩城さんとご家族は息子さんの回復を信じて必死に看病しましたが,病状は悪化の一途を辿り22歳で亡くなってしまいました。また,この事件のずさんな裁判,役所の心ない対応,周囲の人々の興味本位の好奇心が,岩城さんをさらに苦しめました。
「人間関係によってできた傷は,人間関係でしか治らない」と岩城さんは仰いました。福祉について学ぶためもう一度大学へ入った岩城さんを,大学の仲間たちが支えてくれたといいます。
「皆さんが被害者にも加害者にもならないように」と,辛い経験を話してくれた岩城さんに対し,高3生も真剣に耳を傾けていました。岩城さんの願いは,きっと皆さんに伝わっていたことと思います。そして本当につらい思いをしている人に,どのように寄り添えばいいのか,その答えの一つを感じ取ってくれたのではないでしょうか。

これから先,高校で学んだ知識は少しずつ忘れてしまうかもしれません。しかし,平安高校は皆さんに繰り返し”三つの大切”について伝えてきました。これだけは決して忘れずに,心に刻んでほしいと思います。
いつでも他者を大切にし,そしてかけがえのない自分を大切にしてください。

11月11日 仏参 2021年11月11日(木)16時24分

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今日は南先生のお話をうかがった。
 「バハキヤ・インドネシア・ムルディカ(インドネシア独立に栄光あれ)について」
 
 私は日本という国が好きです。好きになった理由は、偉人の話を聴いたからです。その偉人のことを今日はお話してみたいと思います。

 もしあなたが、銃で撃たれ重傷を負ったとしましよう。助けは来ず、結局死ななければならなくなったのであれば、その瞬間あなたは何を思うのでしょう。私であれば、撃った相手のことを考え、なぜこんなことに巻き込まれたのかを悔やみながら死ぬのだろうかと思います。実は今日お話しをする阿部頌二(あべしょうじ)さんは、インドネシアの刑務所で亡くなった人なのです。そして、死ぬまでの短時間に、壁に自分の血液で「バハキヤ・インドネシア・ムルディカ」と書いたのでした。
 阿部さんが亡くなった当時のことをお話ししましょう。当時インドネシアはオランダ領でした。太平洋戦争の拡大で、旧日本陸軍はインドネシアに進駐し、オランダで戦ったのでした。当時のインドネシアの人は、オランダの圧政に敵対心を持っていたといいます。古いインドネシアの統治者の「西から白い人が訪れ土地を統治する。それを北から来た黄色い人が解放する」という言い伝えを信じ、日本軍の進駐を喜び、積極的に協力をしたと言われています。民間人としてインドネシアンに渡った阿部さんは、事業を展開するだけでなく、病院や学校を建て、そして回教寺院まで建てたのでした。
 しかし終戦を迎え、インドネシアの内政は非常に不安定になり、暴動が頻発してしまい、阿部さんは収監されることになります。暴動に興奮した民衆が阿部さんの収監されているところを襲い、機関銃を乱射したのです。その弾に阿部さんは当たり、死んでしまいます。被弾し死ぬまでの間に、自分の血液で壁に「バハキヤ・インドネシア・ムルディカ」と書いたのです。インドネシアのために尽くした阿部さんは、どのような気持ちで死と向かい合ったのでしょうか…。
 この血書のことが、当時のスカルノ大統領に伝えられたといいます。その話を聴いた大統領は非常に感激し、「日本人は同胞」ということを民衆に訴え、抑留されていた日本人が解放されたのだといいます。
 いのちを張って、他の国の民族独立のために生きた一人の日本人の功績が、多くの同胞を救ったことは素晴らしいことだと思います。間違って欲しくないのは、戦争を肯定しているのではありません。このように、社会を下支えする人がいることを知って欲しいのです。みなさんは3月には平安を卒業し、各々の進路に向かいます。社会で生きていくということは、社会の下支えになることです。今、私たちが下支えをしていますが、それをみなさんに託すことになります。そしてみなさんは次の世代へ、それを託すことになります。託すために私たちは精一杯下支えしますので、みなさんもしっかりと下支え出来る人になって下さい。

 さて諸君は、「社会を下支えする」ということが理解出来るだろうか。好き勝手に過ごすことではない。周囲に気を遣い、優しい言葉や行動を行っていける人になって欲しいと思う。どうしても若い人は自分よがりになる。ネットの世界では心ない言葉が飛び交っている。今日の南先生のお話をじっくりと味わい、考えて欲しい。

10月28日 仏参 2021年10月28日(木)15時18分

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今日は中森先生のお話をうかがった。
 「縁起について」
 
 宗教の授業で習っていると思うのですが、今日は「縁起」について取り上げ、話をしてみたいと思います。

 植物の種を蒔き、そのまま放っておいても実は実りません。土が必要だし、水も必要です。この必要な起因と結果が「縁起」なのです。これを人間に置き換えて考えてみましょう。

 野球でキャッチボールをやっています。そのときに、相手を思ってとりやすいボールを投げます。また正確にボールをとるようにします。この練習を積み重ねていく中で、どこからボールが飛んできても、正確に相手へ送球することが出来るようになるのです。相手のことを思わないと、ボールはどこへ飛んでいくか分からず、最終的に相手に有利なことになってくるのです。

 私たちの存在は、周囲に誰かいるから存在をするのです。違った角度から話をしてみましょう。

 朝食を摂ってきた人が多いかと思います。米を食べたり、卵を食べたりしたかもしれません。その朝食を用意してくれるのは家族です。また米や卵の購入代金は、家族の稼ぎによるものです。その米や卵は、米屋さんやスーパーから購入をすれば、そこで働いている人の手を通じ、私たちの元に入ってくるのです。そして米屋さんやスーパーは問屋さんから購入するわけですから、問屋さんの手を通して…ということになり、問屋さんは、生産者から買い付けてくるわけですから、生産者さんの手を通じて…ということになります。もっと言えば、卵はニワトリが産むのであり、その飼料は別の業者さんということになります。米であれば、農薬や肥料が別の業者さんによって…。何より米は環境で、ニワトリも環境で、生まれ育つのですから、それだけでも多くの人の手を通じて私たちの元へ運ばれてきているわけです。1つでも歯車が狂うと、その米や卵は私の口に入ることはありません。

 その流れが見えてこないので、「他人を思いやる」ということが出来ないわけです。私の自己判断や今までの生活で考え方は変わります。
 六曜に敏感であっても、四九を嫌うことも、自分の都合です。別にどうということはありません。人の価値観によって、いくらでも変わっていくことはできるでしょう。他人のよって生かされていることを理解し、感謝する気持ちを持って欲しいと思います。

 さて諸君は、「縁起」のことは知っているはずだ。しかし、こころの深いところで理解出来ているだろうか。もし出来ているのであれば、「自転車で危ない乗り方をしている」「座席を占領している」という苦情は学校へ届かない。「これらの行為は私ではない」というのではなく、私を含め、仏教を学んだ生徒として相応しい行動をとって欲しい。

 あと仏参もわずかである。そのことを頭に入れ、残りの仏参に臨んで欲しい。同時に、今日の中森先生の話からじっくりと考えて欲しい。

高3プログレス文系 現代を学ぶ~高大連携授業②~ 2021年10月26日(火)14時49分

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10月25日(月)5・6時限「現代を学ぶ」では,龍谷大学経営学部の妻木進吾先生をお招きし,「『自己責任時代』に『仕組みを変える』を考える」という講演を行っていただきました。今回はプログレスコース文系生徒全員が講堂で聴講することができました。

私たちは「自己責任」「自業自得」という言葉を使います。どちらかというと,自分に向けてではなく,他者に対して使うことが多いのではないでしょうか。
今回,妻木先生は「ホームレス」「フリーター」という例を挙げられました。こうした境遇に対して,「自己責任」「自業自得」という印象を持つ人は少なくないようです。
しかし,本当にそうでしょうか。その方々は,「自己責任」で「自業自得」だから仕方がない,と切り捨ててよいのでしょうか。
妻木先生は,独自に調査してアンケートを行った若者たちの例を紹介してくれました。特殊な家庭環境と,厳しい経済状態のもとに育った方々です。
その方々が,学習環境の整わない中で学校に馴染めず,進学も諦め,結果として不安定な職に就くことは,全て自分のせいだと言い切れるでしょうか。

最後に妻木先生は,もう一度「自業自得」について考えてほしい,と仰られました。
今回の問いは非常に難しい問いです。答えはありません。皆さんが目指す社会とは,未来とはどんなものなのか,考えてほしいと思います。

校外学習 ネスタリゾート神戸 2021年10月21日(木)18時36分

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本日,高3学年は校外学習でネスタリゾート神戸を訪れました。

少し肌寒くはありましたが,天候に恵まれ皆元気にバスを飛び出していきました。
芝生でそり滑りをしたり,動物と触れ合ったり,写真をたくさん撮ったりと思い思いに楽しんでいました。
広大な敷地は移動に時間がかかり,人気のアクティビティは3時間近い待ち時間があるなど時間配分の難しいところはありましたが,失敗も含めてそれぞれ思い出づくりができたことと思います。

全員で学校で過ごす日数も残り僅かとなりました。残りの日々を大切に過ごしていってください。

思い出の1ページ ~最後の体育祭~ 2021年10月14日(木)18時00分

2年ぶりの体育祭でした。分散開催となり、残念ながら学年全員が一堂に会することは出来ませんでしたが、天候にも恵まれ、久しぶりにすがすがしい時間を過ごせたように思います。
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緊急事態宣言期間中は団活動が出来ず、厳しい条件の中での準備、そして練習だったと思いますが、応援合戦も女子の創作ダンスも見事にやりきってくれました。何よりも演舞中のみんなの楽しそうな笑顔が見られて本当に良かったです。
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残り少ない高校生活ですが、かけがえのない日々です。大切に過ごしてください。

高3龍P文系「現代を学ぶ」新聞発表 2021年10月11日(月)15時51分

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高校3年生プログレス文系の生徒は「現代を学ぶ」という授業でSDGsの問題について学んでいます。
これまで,担当教員別に設定したチームに分かれ,クラスを越えて自ら興味を持ったテーマの学習に取り組んできました。

10月11日(月)は,講堂にてそれぞれのテーマ別学習の代表者が成果発表を行いました。
全7チームと,これまで高3ブログでも頻繁に登場してきた仏教×SDGsチームがそれぞれ特色あるプレゼンを行ってくれました。

テーマ別学習はこれでいったん終了となりますが,今回学んだことは私たちの生活に深く関わりのあることばかりです。
この学びをここで終わらせず,これからの長い人生の中で深めていってもらいたいと思います。

10月7日 仏参 2021年10月07日(木)15時06分

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 今日は江本先生のお話をうかがった。

 「正しい情報を得るために」
 
 理系の教員なので、今日は理系の話をしてみたいと思います。

 みなさんは「DHMO」を知っていますか? 非常に有害な物質で、次のような特徴があります。「酸性雨の成分」「温暖化の物質」「電子機器に誤作動を引き起こす」というものです。原発や動物実験にも用いられ、農薬にも使われ、冷却剤にも使われています。無味無臭であり、空気中に存在し、短期に過剰に摂取すると死んでしまう。しかし空気中に存在することから、安価ことから規制はされていないものです。

 非常に「有害な物質」ですね。とにかく規制をして、厳重に管理する必要があるのでは…と考えた人も多かったでしょう。でも規制は受けないのです。さて、この物質はなんだと思いますか? 

 実は「水」なんです。みなさんは「えっ?」と思ったでしょう。人間に有益な水なのですが、同じくらい「有害」なものでもあるのです。どのような物質でも、表裏一体ですよね。しかし「有害」な側面ばかり強調をすると、水は「有害」という理解がされていくでしょう。情報発信の在り方って怖いと思いませんか? 正しい知識を持っていれば、その情報について正しく理解出来るはずです。でも知識がなければ、一方的な情報を鵜呑みにしてしまわないでしょうか。情報を扱う上で「知識」が大切な役割を担っていることは理解でいると思います。情報に振り回されるのではなく、情報を正しく把握し、色々な角度から分析することが必要です。自分の中に、得た情報をどうのように活かしていくのかを考えてみてください。

 さて諸君は、物事を多角的に見ているだろうか…。情報社会といわれる今日、一方的な情報ばかりに振り回されていないかを考えて欲しい。ネットで探すから大丈夫なのではない。ロボット型検索サイトでは、自分が常に検索している「情報の傾向」をAIが把握している。そのため、検索した内容の上位は、「自分に都合の良い」サイトを提示してくるのである。多角的に情報を分析する態度と、見極める力を持たない限り、この情報社会の中で主体的に生きていくことは難しいのかもしれない。

 今日の江本先生の話からじっくりと考えて欲しい。

後期始業式 2021年10月06日(水)12時00分

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10月6日(水),後期の始業式が行われました。
感染対策として,高校1年生のみ講堂に参集し,高2・高3生は各HR教室での聴講となりました。

関目校長先生より,緊急事態宣言後こそむしろ感染症対策をしっかり行い,後期の学校生活を充実したものにしていきましょうとお話がありました。また,次年度以降予定されている学校生活の刷新について触れられ,これからの社会の変化に私たちも対応していかなければいけないということを呼びかけられました。

高校3年生はいよいよ最後の高校生活に入りました。この2年間様々な場面で,予定していた通りの学校生活を送ることができず,歯がゆい思いをしてきました。しかし高3生の皆さんは,できることに目を向けて前向きに頑張ってきました。残りの学校生活も,同じように元気に走り抜けてほしいと思います。一日一日を大切にしていきましょう。