HEIAN クラブ 紹介 クラブ紹介ブログ

記事一覧

睦月の茶の風景1 2015年02月16日(月)09時35分

■1月の活動①■
1月22日(木)
初釜①

新年の訪れと共に、茶道部として気持ちも新たにお稽古に臨んでもらうため、
『初釜』を体験しました。

早速、待合にて芳名録への記帳です。毛筆1本で全員かなり焦っています。
綺麗に書きたいという痛切な祈りを込めているからなのか、氏名を書き切るのにやたらと時間が掛かってます。気持ちはよ~く分かりますよ(笑)
ファイル 115-1.jpg

お軸は『心廣體胖春』(こころひろくたいゆたかなる春)
中国の儒教の教えを学ぶ基本書でもある「四書五経」の『大学』の一節である『富潤屋、徳潤身。心廣體胖。』《富(とみ)は屋(おく)を潤(うるお)し、徳は身を潤す。心廣(ひろ)く體(たい)胖(ゆた)かなり。》を用いた言葉です。
ファイル 115-2.jpg
先生のご配慮で『炭点前』も見せていただくことができました。
「羽根《羽箒(はぼうき)のこと》…何で掃くんですか?」
「この白い細いの(白炭のこと)も燃えるんですか??」
部員の素朴な疑問に先生も一つ一つ丁寧にお答え下さいます。

主菓子は『寒椿』(俵屋吉富製) 
ファイル 115-3.jpg

今回の一番重要なミッション!?は『濃茶』です。濃茶は一つの茶碗に『練られた』お茶を複数名で飲み回しますが、その時の客の作法やお約束ごとの基本を知ってもらいたかったからです。
…お茶を「点てる」のではなく「練る」です。
飲むのは初めてという部員もいるので、茶入から茶杓ですくわれる抹茶の量の多さにみんなびっくり!!w( ̄△ ̄;)wおおっ!

どんなものかを経験済みの人は納得できると思いますが、お茶の濃さをたとえるなら「薄茶」はさらっ…ですが「濃茶」はどろっ…です(笑)
ファイル 115-4.jpg ファイル 115-5.jpg

睦月の茶の風景2 2015年02月16日(月)09時30分

■1月の活動②■
1月22日(木)
初釜②

濃茶と共に出される亭主の出袱紗(だしふくさ)は遠慮して用いず、自分の出袱紗に茶碗を載せていただきます。部員に出袱紗までは持たせていないので、今回は普段の点前袱紗を代用しています。ちなみに、藪内流の出袱紗は、例えば表千家の出袱紗と比べるとほぼ一回り大きいのが特徴です。
★出袱紗…お茶碗を載せたり、道具を拝見する時に載せたりするのに用いるもの(綺麗な織りの布)…写真では左側の黄色いものです。
ファイル 116-1.jpg

お茶銘(抹茶の名前)は「滴翠(てきすい)」、お詰め(抹茶の製造元)は「美好園」です。
もう一つ…濃茶の飲み口(茶碗に口をつける位置)ですが、藪内流では同じ場所に重なることなく、次客以降は均等な距離で違う位置を選んで飲み口にしていきます。

お茶入、お茶杓、お仕覆(しふく)の拝見
…お茶入・お仕覆の拝見は全員初めての経験なので、一つずつレクチャーを受けて拝見しながら回していきます。
 お茶入…濃茶の時に抹茶を入れておく陶器製の容器。
 お仕覆…お茶入れの袋。その生地(裂地/きれじ)や織り、文様、時代...etcが
       ポイント。
ファイル 116-2.jpg ファイル 116-3.jpg

引き続き、龍大茶道部のO先生のお点前で薄茶をいただきました。
いつも部員達のお手本になっていただき有り難い存在です。 
ファイル 116-4.jpg

干菓子二つは俵屋吉富製ですが、右手前の白いものは『霜ばしら』
関西ではあまり見かけない物ですが、宮城県の名産品だそうで
固い飴なのかな~と思って口に入れると……衝撃が走ります(笑)
おぉぉぉぉぉぉ~!?噛めばサクッ…あっという間に溶けちゃいます。

ファイル 116-5.jpg
普段、生徒達を指導していただいている龍大茶道部のM本先生からのお年玉代わり?の頂き物です。お心遣い、誠にありがとうございました。

《部員の感想(一部抜粋)》
『初釜』体験について…
★ 全ての作法が初めて見る物だったのでとても興味深かったです。
★ いつものお茶会と違った空気感があって新鮮でした。
★ 一からちゃんとした流れでするのは初めてで、白湯(待合で出される白湯のこと)を飲んだりすることにも驚いた。
★ 本格的で面白かったので自分もやってみたいなと思いました。
★ それぞれの行動には意味が込められていることなども学べた。
★ 先生のお点前を見られてよかった。
 …待合での白湯…彼女たちにはなぜかかなりのインパクトがあったようです(謎)

『濃茶』について・・・
★ 飲む前は抵抗がありましたが、実際に飲んでみると意外においしかったです。どろっとした感じも癖になりました。
★ とても苦かったですが美味しかったです。癖になる味でした。また飲みたいです。
★ 一度飲んだことがあったけれど、その時より美味しく感じた。苦いけどたまに飲みたくなる味だった。
★ どろっとしていて少し飲みにくかったけどお茶の苦みが良い感じで美味しかったです。
★ 濃茶は点てるのではなく、『練る』というところが面白いなと思いました。
★ 濃茶を練るのをやってみたいなと思いました。
 …濃さと苦さに意外と「はまる」つぼがあったようです。

『炭点前・濃茶の作法』について・・・
★ 炉の周りとかを鳥の羽で掃いているところが印象的でした。
★ 普段の作法と全く異なっていてとても興味深かったです。機会があればもっと詳しく知りたいなと思いました。
★ 濃茶の時の作法は普通と少し違って難しそうだなと思いました。回し飲みをするので、客の方もきちんとした飲み方をマスターしないといけないと思いました。
★ 一つ一つの動作にお客さんへの気遣いが込められていたのですごいと思いました。
★ 初めて見る道具が出てきて最初ビックリしたけど、黄色の袱紗(出袱紗のこと)が可愛いと思った。
 …新しい物への興味関心の持ち方もストレートで新鮮です!

お薄(薄茶)は基本なのですが、点てて飲むだけではお茶のほんの一部を知ったに過ぎません。茶道の「メインディッシュ!?」である濃茶をしっかり経験することで、自分達の知らないものがまだまだいっぱいあるということを実感し、より興味を持ってもらうことができたと思います。
お服加減も大変結構で美味しくいただきました。

師走の茶の風景3 2014年12月24日(水)14時17分

■12月の活動③■
12月18日(木)

稽古納め
普段、お稽古場として使わせていただいている美好園さんを大掃除。その後、着替えてプチ・クリスマス茶会♪

ファイル 107-1.jpg ファイル 107-2.jpg
薄暗い部屋の中で、わずかな明かりを頼りにお点前が進みます。
ふと、江戸時代の夜咄(よばなし…夜のお茶事)はこんな感じだったんだろうなぁ~と、部員と全く違うことを考えていた顧問でした…(汗)
本日のお点前担当はY副部長。サンタクロースのコスチュームがクリスマス気分を高めます。
「和」の茶道と「洋」のクリスマス。。。趣向に工夫を凝らし、道具やしつらえでも新たな発想でコラボさせる可能性が茶道の魅力・楽しみの一つかもしれません。

ファイル 107-3.jpg ファイル 107-4.jpg
掛物は画賛で「和光」…一面に雪の降り積む中、一軒の家から漏れるやわらかな光。そんなイメージが広がります。
香合は七福神の「寿老人」…なんで??実は、サンタクロースに見立てています(笑)

お菓子は俵屋吉富の「ホワイトクリスマス」です。
ファイル 107-5.jpg

今年もお稽古お疲れ様でした。また来年はより高みを目指し、自己を磨いていって欲しいと思います。たった一服のお茶を通して人生が豊かなものになっていくことを実感できる高みへ…。

師走の茶の風景1 2014年12月24日(水)14時15分

■12月の活動①■
12月13日(土)
第1回全国高校生茶道フェスティバル歓迎呈茶①
京都府公館(京都府民ホールアルティ)

全国の茶道にいそしむ高校生茶道部員が京都に集い、交流を活発化させると共に日本の伝統文化についてより深く親しみ、次代の伝統文化の担い手となるべく行われる一大イベントです。その歓迎の呈茶席を、京都府内で藪内流を習う西舞鶴高校の茶道部と共に運営させていただきました。裏千家を習う高校の茶道部の席や表千家を習う高校の茶道部で作る席と三カ所に分かれ、それぞれの特長が現れたしつらえで、茶道に興味のある者にとっては非常に楽しい空間だったと思います。

ファイル 105-1.jpg ファイル 105-2.jpg

今回は2F応接室を使わせていただけることになり、応接室のソファーとテーブルを活かしつつ、立礼式でしつらえました。金屏風を背に藪内流の立礼台(福寿棚)を使わせていただくことが出来ました。広い窓からは烏丸通を挟んで御所が一望できました。

ファイル 105-3.jpg ファイル 105-4.jpg

後見担当は原稿のチェックに余念がありません。西舞鶴高校の皆さんと共にお運びや水屋のリハーサルを行っていきました。

ファイル 105-5.jpg

師走の茶の風景2 2014年12月24日(水)14時14分

■12月の活動②■
12月13日(土)
第1回全国高校生茶道フェスティバル歓迎呈茶②
京都府公館(京都府民ホールアルティ)

緊張の中一席目スタート。
一席目は亭主・後見に3年生のベテラン?ペアを先発起用です。本物の棚を使って、上着を着てのお点前は初めての経験で少し窮屈そうでしたが、流れるようにお点前を進めていきます。
ファイル 106-1.jpg

短冊は先代家元 猗々斎竹風宗匠(いいさいちくふうそうしょう)筆「清風」。
『皆さんにとって本日の一服がすがすがしいものであるようにという気持ちと、私たち自身もすがすがしい風を感じるように、日々の高校生活を新鮮な気持ちで送ろうという気持ちを込めております』・・・後見挨拶文の一部抜粋。
ファイル 106-2.jpg

野点傘に古瓢(こひょう)の花生です。花は椿…この時期はちょうどお花の選択肢があまりない、というかほとんどない時期で困ります。花屋に行けば咲く季節の違う花が並び手に入れることの出来る現代…。私たちの中でも季節感は確実に薄れつつありますが、お茶は季節感が命です。

今回は各流派共通で、お菓子は末富の「今朝の雪」。懐紙は京都府広報監の「まゆまろ」。お茶は丸久小山園の「千木(ちぎ)の白」を用いました。水は御所の東側に位置する梨木(なしのき)神社で汲んだ水を使用しています。梨木神社の井戸から汲み上げる水は、京都三名水の一つで「染井(そめい)」の水と呼ばれ、甘くまろやかな水であるためお茶に適していると言われています。

ファイル 106-3.jpg 

写真は今回持ち込んだお茶碗の一部です。「このお茶碗きれい!」とか「好き!」という気持ちから始まって、お茶碗や他の道具に対する知識もより一層身につけていってくれると嬉しいなぁと思うのが顧問の切なる願いです。

ファイル 106-4.jpg

霜月の茶の風景2 2014年11月30日(日)14時03分

■11月の活動②■
11月16日(日)
京都女子大学茶道部紫清会 秋期茶会参加
京都女子大学茶道部紫清会の秋期茶会に参加させていただきました。建仁寺の禅居庵で行われ、当日、建仁寺周辺は観光客でごったがえし歩くのさえ大変でした。
京都女子大学茶道部紫清会の方々には、先月開いた私たちの秋期茶会にもお越しいただいております。その節はありがとうございました。
部員の皆さん、着物姿で非常にあでやかでした。

ファイル 104-1.jpg

女性らしい待合のしつらえや細やかな心配りで、さすが、女子力高し!

ファイル 104-2.jpg

うちの部員たちも数年後にはお姉さん方を見習ってこのレベルを体得していただきたいと切に思う良い機会となりました。

ファイル 104-3.jpg

本席では日菓さんの「アポロ」…月面に足形がくっきり一つ…、副席では部員さん手作りのお菓子で「秋のかくれんぼ」と秋の風情をふんだんに盛り込んだおもてなしの中で、一服をおいしくいただきました。

霜月の茶の風景1 2014年11月30日(日)13時58分

■11月の活動①■
11月9日(日)
全国茶道フェスティバル会場下見会

12月13日に開催される第1回全国高校生茶道フェスティバルの会場下見に部員を伴って行ってきました。当日、スタッフとして参加する京都府の茶道部員が一堂に会し、当日に向けて段取りを打ち合わせました。

ファイル 103-1.jpg 

呈茶席となる部屋で、ああでもない、こうでもないと当日のシミュレーションを重ねます。

ファイル 103-2.jpg

普段は、京都の迎賓館として用いられる建物(京都府公館)なだけに、重厚感、高級感あふれる造りで、もし汚したりしたら困るなぁと思う程でした。このような場所を使わせてもらえるのはとても貴重なことです。

ファイル 103-3.jpg 

神無月の茶の風景5 2014年10月31日(金)13時18分

■10月の活動⑤■
10月30日(木)

風炉の季節も終わりを告げ、次回のお稽古は炉開きです。ついに冬の到来です。
ちょうど世間はハロウィンで盛り上がっているということで、お菓子で気分を盛り上げます。お菓子は二葉軒の「ハロウィン」?「ジャック・オー・ランタン」をかたどったキュートなお菓子で全員が大盛り上がりでした。お菓子で季節を満喫できるのはほんと素晴らしいですね。
ファイル 102-1.jpg

神無月の茶の風景3 2014年10月31日(金)13時15分

■10月の活動③■
10月19日(日)
龍谷大学付属平安高等学校茶道部
創部記念秋期茶会①

創部1年半でついに本格的な自分たちの茶会を開催するところまで漕ぎつけました。
美好園をお借りして、本席・副席と二席を楽しめる茶会です。
本席は、和室を使って3年生中心でおもてなしをしました。副席は2年生・1年生を中心としたメンバーで洋室を使って立礼席に仕立てました。
本席は本格的なお茶席を味わっていただき、副席では少し気楽にお茶を楽しむというコンセプトです。
【本席】     
ファイル 100-1.jpgファイル 100-2.jpg
副席は机とイスを置き、洋室で普段通りイスに座って飲むお茶という感じでしょうか。
床の間がないので部屋続きの和室に掛物と花、香合を置きました。
【副席床の間】                  【待合】
ファイル 100-3.jpg ファイル 100-4.jpg

お菓子は俵屋吉富の「大枝の里」(主菓子)と紅葉(干し琥珀)、銀杏(打物)でした。
主菓子は、多くの候補から部員の投票で決定しました。
ファイル 100-5.jpg
本席のお詰めは美好園「老松」副席は「飛雲」
お茶の味が違うので、どっちが自分の好みか部員達は盛り上がっていました。
お茶の味をそれなりに批評?できるようになったのも進歩の証しでしょうか(笑)

神無月の茶の風景4 2014年10月31日(金)13時14分

■10月の活動④■
創部記念秋期茶会②
【本席床の間】
掛け物は先代家元 猗々斎竹風宗匠(いいさいちくふうそうしょう)筆「洗心」
花生(はないけ)は朝日焼 仁清写細筒花生(にんせいうつしほそづつはないけ)
香合(こうごう)は南米イッペイ樹 扇面形(せんめんがた)菊絵

ファイル 101-1.jpg ファイル 101-2.jpg

「心を洗う」そんな感覚、凡人である私をはじめ一般人はなかなか思いつきませんね~。美しい景色を見たり感動的な出来事を聞いたりすると「心が洗われる」と言ったりしますが、改めてこういう掛物を見ると、あー手とか体とか外面は一生懸命洗うけれど、心は汚れっぱなしだなぁと…。
棚は帛紗棚(ふくさだな)…中段の棚が帛紗を畳んだ形に似ていることからの命名だそうです。
招待席では藪内紹由若宗匠(やぶのうちじょうゆうわかそうしょう)を正客にお迎えし粛々と進みました。

ファイル 101-3.jpg

保護者の方々、部員の高校内外の友人、平安高校の教職員の方々、龍谷大学、京都女子大学の茶道部の方々、藪内流関係の方々など様々な方がお忙しい中お越しいただき盛会のうちに終えることが出来ました。

ファイル 101-4.jpg ファイル 101-5.jpg

部員達も本格的な初のお茶会で、充実した時間を過ごすことが出来ました。
まだまだ不手際も多くご迷惑をお掛けしたかと思いますが、年々スキルアップして来年、再来年と年を重ねるごとに堂々としたお点前と気持ちの良いおもてなしが自然に出来るよう日々精進してまいります。